【現地取材2】 北米大陸バックトラック(再訪問)

【現地取材2】 北米大陸バックトラック(再訪問)

世界一周ルート
バックトラック特別ルールを使って、ふたたびニューヨークへ!
10日前にペルーのリマから入った南米大陸ゾーンであったが、人気の秘境2カ所への寄り道と日系企業が復活を懸けて挑戦するサンパウロでの取材訪問を終え、再び北米大陸ゾーンのニューヨークへ飛んだ。 そして、その後に待つのは、ニューヨークから遥か遠い5番目の大陸ゾーン「南西太平洋」にあるシドニー。
南米の次にシドニーに向かうのであれば、本来は南米から南極大陸の端を通過してオセアニアに抜ける南太平洋横断便(カンタス航空とラン航空の2社が運航するサンティアゴ→シドニー便)を利用するのが最短でお薦めのルートなのだが、私の場合は(前回の滞在が週末で実現できなかった)ニューヨークでのワンワールド アライアンス本部の取材という重要任務があるため、シドニーに直行せず、一度訪問した北米大陸にもう一度立ち寄ったのである。

えっ、「一度訪問した大陸ゾーンは再訪問(バックトラック)できないのでは?」と思ったあなたは、世界一周運賃の大陸ゾーンの理解度はかなり高い!
しかしながら、「達人のポイント最重要項目&逆引き」内のワンワールド・エクスプローラー・世界一周運賃の基本ルールで紹介したように、一度訪問した大陸ゾーンは「原則」バックトラックできないのだが、北米大陸と南米大陸の間では1回のバックトラックができる「特認ルール」(…北米⇒南米⇒北米…)があるのだ。 ただし、初回訪問の前回は24時間以上の滞在をしたため(第6話はコチラ)、2回目の今回は24時間以内の滞在で、他の大陸ゾーン(南西太平洋大陸ゾーン)に抜けなければならない。 このため、約10時間の夜行便で早朝にニューヨークJFK空港に到着し、ワンワールド本部とニューヨークの現地取材を済ませ、夜のカンタス航空のシドニー直行便に乗るという弾丸日程となったのだ。
※今回の南米訪問の前後で許されているバックトラックも含め、全部で3つあるバックトラックの特認ルールの詳細はコチラ
アメリカン航空のビジネスクラスは、弾丸トラベラーにうれしい設備と工夫が充実
弾丸取材13日目で通算13回目のフライトとなるサンパウロ発ニューヨークJFK行きはアメリカン航空777-200型機のビジネスクラスで、ロングフライトの機内でしっかり寝る事と快適に過ごす事を追求したライフラットシートは、ボタン1つで193cmのフラットベッドに変化。 ※ライフラット=写真のように完全にフラット(平ら)なベッドになるが、床に対して水平ではなく、少し前に傾斜している。
隣席との仕切りを上げてシートを前にスライドさせればプライベート空間が確保され、人間工学に基づいたシート調節機能は、背もたれ、クッション、レッグレストを自分の好みに合わせたポジションや角度に調整することができ、いつでも快適な姿勢で過ごすことが出来るようになっていた。

前席の背もたれにあるテーブルを手前に倒し、肘掛から引っ張り出すテーブルと2つのピンで合わせてドッキングさせると、前席との間に広い作業スペースが出現。 前席のテーブルの収納スペース内のライトが点灯して、「空飛ぶ書斎」に早変わり。
通りかかった乗務員が声をかけて淹れてくれたコーヒーはアメリカン航空のロゴの入った大きなマグカップで提供され、実に飲み応えがあった。 パーソナルモニターの日本語メニューで選んだスロージャズを配布されたBOSEのノイズキャンセル機能つきのヘッドフォンで聴きながら、照明が落とされた夜行便の機内で溜りに溜まった取材メモの整理に専念できた。
アメリカン航空 アメリカン航空
近代的で快適な最新鋭+新塗装の機材を導入
アメリカン航空は、2013年1月31日に米国の航空会社として初めてボーイング777-300ER型機をダラスフォートワースとサンパウロ間に就航させた。

シンボルの鷲をあしらった斬新な新ロゴマークと銀色のマイカ塗装の組み合わせで同社の伝統である「シルバーバード」のイメージを継承。
アメリカ国旗を模った尾翼のストライプは、アメリカン航空の社名の由来を象徴。

この新機材のビジネスクラスでは、一新された座席周りと新デザインの完全に平らになるライフラットシートが全席通路に面して配列され、海外対応のWi-Fi、および最新鋭の機内エンターテインメントにより、更に上質なプライベート空間を提供。 米国の航空会社としては初めてスナックや飲物を備えたバーを設置し、特別なラグジュアリー感を演出。

今後2014年末までに合計15機のボーイング777-300ER型機が納入される予定で、サンパウロ便に続き、ダラス/フォートワースおよびニューヨークJFKの両空港とロンドン・ヒースロー空港を結ぶ便にも就航の予定
詳しくはコチラ

AMRコーポレーションとUSエアウェイズは合併計画を発表(2013年2月14日)

アメリカン航空の親会社であるAMRコーポレーションとUSエアウェイズは合併計画を発表した。 社名は「アメリカン航空」を維持し、2014年3月31日からワンワールドに編入。
詳しくはコチラ

取材メモの整理を終え、快適なシートで肌触りがなんとも心地良い羽毛の掛け布団に身を包んで4時間ほど熟睡できたためだろうか、目が覚めた時には、長時間フライトの疲れも驚くほどなく、定刻の午前6時に弾丸スケジュールが待ち受けるJFK空港に到着した。
ワンワールド アライアンス本部は、オフィス自体が
「ひとつの世界(ワンワールド)」づくりを意識したグローバル空間だった!

大陸制世界一周運賃で認められている「バックトラック(再訪問)」を実際に経験し、10日振りに再訪したニューヨーク。
冒頭で紹介した通り、バックトラックのルールに従い、到着後24時間以内に再び夜の便でシドニーへ向かうというハードな1日の始まりだ!

マンハッタンを南北に縦断するパークアベニューとそのほぼ中間点を東西に横切る34番通りの角に位置するワンワールド アライアンス本部がある2PARKビルに気合を入れて向かった。
なかなか一般人が足を踏み入れることがないワンワールド アライアンス本部なので、やや緊張しながらおなじみの青い丸ロゴと加盟航空会社12社が掲示された入口のドアを開けると、受付では素敵な女性が笑顔で「Hello!」と声を掛けてくれた。 何度かメールで事前に取材申し入れをしていた宣伝担当者が温かく出迎えてくれた。

加盟航空会社の個々のブランドを前面に露出したアライアンス活動の企画と運営を大切にし、あくまでも舞台裏のサポート役、企画・活動の推進、管理に徹するワンワールド アライアンス本部は、いわば黒子のような存在で、市場や一般の旅客には余り存在が知られていない。
以前はカナダのバンクーバーにオフィスがあったが、2011年からここニューヨークのマンハッタンに移転して、厳しい採用面接を勝ち抜いて厳選された社員と加盟各社からの出向者で構成される約30名のスタッフによって運営されている「小さな本部」となっている。
日本航空、アメリカン航空、ブリティッシュ・エアウェイズ、フィンエアー、カンタス航空、イベリア航空など12社中6社のワンワールド アライアンス加盟航空会社のニューヨーク事務所も同じ階に併設されており、普段は個別に働いている各社であるが、ワンワールド アライアンス関連の協議や打ち合わせの時にはすぐに集合できる機動力を活かし、様々な国籍のスタッフが行き交う巨大な専用フロアとなっていた。

ワンワールド アライアンス本部内の部署も、マーケティング、セールス、eビジネス(WEB)、運賃、顧客満足(社員トレーニング)、企画とさまざまな専門セクションごとに分かれていて、日々、ワンワールド アライアンス及び加盟航空会社の利用旅客へのより良いサービスの提供と加盟各社の収益拡大のための企画・管理業務に取り組んでいる姿勢が好印象だった。

オフィスの中を色々と案内してもらっている中で、ユニークで感動したのがオフィスの会議室が「Tokyo」、「Hong Kong」、「London」といった加盟航空会社の乗り入れ空港の名前が付けられていることだった。今日は「Tokyo」で会議ね!といった会話が交わされているかと思うと、いくつかの会議をハシゴする中で、世界一周気分にも浸れそうだ。

さらに、フロアの一角にワンワールド アライアンス加盟航空会社が運航している就航都市の3文字の略語のパネルが壁一面にタイルのように敷き詰められていたり、航空会社のユニフォームを身に着けたテーブルサッカーゲームがあったり、簡単なスナックやドリンクが用意されたカフェスペースもあったり、開放的で働きやすい充実したオフィス環境が魅力的であった。

壁際の棚には、スカイトラックス社など、権威ある幾多のコンテストで表彰された盾や賞状の数々も展示してあり、世界的にも認められている高品質なサービスを提供しているワンワールド アライアンスの素晴らしさを、うかがい知ることができた。

<2012年度‘Best Airline Alliance’受賞一覧>
World Travel Awards: 10年連続受賞
Global Travel Awards: 3年連続受賞
Australian Business Traveler Awards: 初回より2年連続
Best Alliance Wines on the Wing
Cellars in the Sky Award

なお、今回取材した内容を元に、ワンワールド アライアンスの特徴、及び今後の展望を以下の<チェックポイント>にまとめたので、ぜひご覧頂きたい。

品質とお客様の満足を最重要視、ワンワールド アライアンス
  • お客様の満足を第一に!
加盟航空会社数は少ないが、厳選されたメンバーが単独では実現提供できない、「地球規模」の上質な空の移動の「サービスと特典」、そしてマイレージプログラムを通じた「ステータスの認識」をお客様に提供することを最重要視。目指すのはアライアンスの規模拡大ではなく、アライアンスとして提供できるお客様の満足(Customer Experience)である。
  • 航空会社の新規加盟で、単独では実現提供できない「地球規模」の路線網と上質な空の移動が、ますます充実!
2013年度に入って発表された顧客満足の高い米国のUSエアウェイズとブラジルのTAM航空のスターアライアンスからワンワールドへの2014年3月末の移籍加盟は、厳選された航空会社による路線網と上質な空の旅の拡大に大きく貢献。
  • 「上質な空の旅」品質を求めるお客様に、選ばれています!
マスターカードの調査でランキング発表された2012年度の「ビジネスで訪れる世界の主要渡航先」の上位100都市を結ぶ航空路線で独自に比較検証すると、ワンワールド アラアイアンス加盟会社の便は、ビジネスでのご利用に向いた予約変更の制約が少ないエコノミークラス運賃や、上位クラスのファーストやビジネスクラスをご利用されるお客様の集客力があることがうかがえる。
そのようなお客様に選ばれるということは、まさに品質やブランド力が評価されていることの裏付けの一つといえよう。

【参考】マスターカード渡航先ランキング(2012年度)はコチラ
グラウンドゼロを追悼取材し、JFK空港へ
ワンワールド アライアンス本部を取材したのち、今回のニューヨーク訪問のもうひとつの目的であった9/11の記念日にワールドトレードセンターのあったグラウンドゼロの追悼取材に向かった。
隣接しているメモリアルパークは、あいにく追悼式のセレモニーなどが行われていたため、この日は入場することが出来なかった。
既に新しい4棟の高層ビルの建築も進んでいて、テロの悲劇を風化させたくない思いと共に、あの大惨事から11年が経過した年月の早さと同時にその間も消えないテロの脅威に複雑な思いを抱きつつ再びJFK空港に向かった。

LIRRと空港内のエア・トレインを乗り継ぎ、JFK空港のターミナル7に到着。(乗り方などの詳細(第6話)はコチラ
今夜のフライトはカンタス航空だが、空港業務を受託しているブリティッシュ・エアウェイズのカウンターでチェックイン手続きをした。 アライアンスの特徴の一つが加盟している航空会社同士でオペレーションを共有し合う点で、ここニューヨークJFK空港の第7ターミナルではカンタス航空とブリティッシュ・エアウェイズが互いにスタッフや施設を共有化して業務を効率化していた。
この日は空港ラウンジをしっかり取材するために、出発時刻の3時間前に空港に到着したが、ピーク時間前ということでチェックインカウンターには人がまばらで、スムーズにチェックイン手続きが出来た。 混雑する手荷物検査場もビジネスクラス旅客が利用できる優先レーンを抜け、案内されたラウンジはブリティッシュ・エアウェイズが運営している「Terraces Lounge」。
至れり尽くせりの、ブリティッシュ・エアウェイズ豪華ラウンジ
ラウンジ内はモダンなインテリアが配置されていて、オリエンタルな雰囲気のスペースが広がっていた、テラスの中央には高級感が漂う噴水もあり、サイドにあるオシャレな「PUB」カウンターにはビールやワインはもちろん、ウィスキーやバーボンなどセルフサービスで様々なお酒を楽しめるようなっていた。
目を引いたのは、ブリティッシュ・エアウェイズの旅客専用の「Pre flight-supper」という食事サービスだ。 入口で専属係員に案内された先には専用テーブルが並び、上質なコース料理をレストランスタイルで、好きなだけ召し上がれるというラグジュアリーな搭乗直前の地上サービスだ。 空港ラウンジのサービス内容は一体どこまで豪華になるのか、また同様に止まることを知らないビジネスクラスの機内サービスと座席仕様のデラックス化と合わせて考えると、ビジネスクラスとエコノミークラスのサービスの格差の拡大に思わず深いため息をついてしまった。

奥にはイギリスで人気の高級SPA、「ELEMIS」があったが、こちらもブリティッシュ・エアウェイズ旅客専用で16時~20時までの限定サービスとなっていたため、今回は残念ながら利用できなかった。 その代わり、充実したシャワー施設が併設されており、こちらは利用することができた。 長距離フライトに乗る前にサッと汗を流すことが出来るのもビジネスクラスでラウンジが使える大きなメリットである。

今夜これから乗る、シドニーまでの長いフライトに備え、シャワーを浴びてリフレッシュするなど、約2時間ラウンジを満喫したところで搭乗開始のアナウンスに従って、搭乗ゲートに向かった。

さあ、いよいよ、ワンワールド屈指のウルトラロングフライト、ニューヨーク発シドニー行QF108便で今回の弾丸世界一周旅程で5番目の大陸ゾーンとなる南西太平洋大陸ゾーンに向けて20時間超飛ぶ(+途中ロサンゼルスで給油のため約3時間寄港)遥かなる空の移動だ!