【B787】 最新鋭機ボーイング787で帰還

【B787】 最新鋭機ボーイング787で帰還

世界一周ルート
17回目の弾丸取材最終便、最新鋭機でデリーから東京へ
インドの首都デリーのインディラ・ガンジー国際空港。 自分が乗る便の電光掲示板の行き先には「TOKYO」の表示が。 この世界一周弾丸取材は本当にもう終わってしまうのか? これまでのように、次の目的地へ向かうために飛行機に乗る時と何ら変わらない感じがする。 次の到着地は本当に日本なのか? いつものように飛行機で新天地に着き、重い荷物をゴロゴロ引いて弾丸スケジュールの取材と移動に奮闘することはもうないのか? 毎回新たな感動、そして夢のようにゴージャスな時間と空間を体験させてくれた空港ラウンジや機内のビジネスクラスの座席と食事やワインを満喫する事はもうないのか?

今回の弾丸取材で、これまでに16回も飛行機に搭乗してきたわけだが、最終大陸のアジアでは、同じ大陸ゾーン内であれば逆行したルートが組める世界一周運賃の特徴を最大限活用して、アジア大陸ゾーンを「…香港→デリー→東京」と遠回りしたルートを組んだ。 そして、17便目となるラストフライトを最新鋭機で凱旋帰国…そう、最後の取材便は日本航空の成田行きのボーイング787なのだ!(※2012年9月取材時に運航)

<今回のフライト区間の内訳>
ワンワールド・エクスプローラー・世界一周運賃=16区間(最大区間数を利用)
・15フライト(アジア4区間+ヨーロッパ2区間+南米3区間+大陸横断6区間)
・地上移動1区間(ロンドン スタンステッド空港着/ロンドン シティ空港発)
ラン航空のサウスアメリカ・エアパス=2区間(世界一周運賃とは別手配)
・ペルー国内線の寄り道オプションとして、リマ=クスコ往復で利用(83USD×2)

ワンワールド アライアンス加盟各社で、期待の中型旅客機でもある787をいち早く導入して運航を開始したのは日本航空で(「ラン航空」と加盟予定の「カタール航空」も受領済)、機内の仕様は2クラス制でビジネスクラスが最上位クラスとなる。 ワンワールド・エクスプローラー・世界一周運賃は、機種や機材の新旧による追加料金などはないため、第11話で搭乗したカンタス航空のエアバスA380や今回のボーイング787など、最新鋭でかつ人気の飛行機に乗らない手はない。(第11話のA380の記事はコチラ
世界と日本の技術を結集したボーイング787
ちなみに、ボーイング787は機体の70%近くを海外メーカーを含めた約70社が協力して製造している国際共同事業であり、開発費を分散して負担できるとともに、世界中の最高技術を結集して完成した画期的な機体となっている。 そして我が日本企業の担当比率は合計で35%とアメリカ企業以外では最大シェア(過去最高)となっているのだ。
世界の技術を結集して製造されたこの飛行機の性能や最新設備、居住性にこだわった数々のアイデアに注目しながら、私が搭乗したJAL740便(B787-8機材)の魅力と特徴をリポートしよう。

まず、最初に機体を見て感動したのが、鳥の翼のようにスタイリッシュに先端が細くなった主翼だ。 ゆるく弧を描いた後退翼は離陸や着陸時には、大きく美しく反り上がり空をグライダーで飛び回っているような、しなやかな印象を持つだろう。

次に、従来型機と比べて大きく改善された機体性能は以下の3つだ。
  • 空力改善
  • 複合材(炭素繊維素材)の多用による軽量化と耐久性の強化
  • エンジンの燃費の改善
これらの相乗効果により、特に機体のサイズがほぼ同じで、ターゲットとされているボーイング767よりも、航続距離や巡航速度が大幅に上回るとともに、燃費も向上している。 さらに、軽量化と胴体が太くなったことによって、客室スペースや最大旅客数も増加しており、従来のボーイング767に近いサイズでありながら、同じ量の燃料の搭載で、より遠くに、より速く、より広い機内でより高い機内の気圧などの快適性の高い新しいサービスが提供できるのだ。 航空会社と旅客の双方にとってメリットのある素晴らしい最新鋭機なのだ!

快適性を追求した機内と「日本の翼」のおもてなし
ボーディングブリッジを渡り、機内に乗り込むと、日本人の客室乗務員が、おもてなしの暖かい笑顔と挨拶で出迎えてくれた。 「お帰りなさい」と添えられた言葉が実に嬉しかった。 世界一周取材という重責な任務の途中であったが、やっと日本に帰還できるという安堵感が心の奥から込み上げてきた。
先日ブラジルで取材した際に、海外駐在員の方が長期駐在を終えて帰国する際に、空港で日本航空の鶴丸を見ると、「懐かしさと共に、心からホッとする」という言葉を聞いていたことを思い出し、たった20日間の離日ではあったが、改めてその意味を実感することができた。

機内前方にあるビジネスクラスは、この日はほぼ満席で、日本人(ビジネスパーソンが多い)が2/3ほど、残りはインド系、アジア系の旅客といった感じだった。 離陸後水平飛行に入り、ウェルカムドリンクを飲んでいると、機内での静かさにまず驚いた。 エンジンの排気口を波形にすることで騒音が拡散されたということだが、その効果は絶大で、静音性が飛躍的に向上しており、機内アナウンスがいつもよりクリアに聞こえた。

一方、高くなった天井に目を配ると、LEDが採用されている客室内の照明はとても明るく、「よく眠れる」「快適な目覚め」「食事を美味しく見せる」など、シーンに合わせた照明プログラムが設定されている。 日本の四季を表現しているというライティングは、春夏秋冬を感じる寒暖色の工夫もされているとのことなので、787に搭乗した際はぜひ照明の明るさと色にも注目してほしい。

胴体が太くなったためだろうか、 標準的なビジネスクラスの配列と同じ2-2-2の横6席なのだが、客室内は天井が高く、広めの造りでゆったりとした感じがした。 シートの横幅も従来のタイプより5cm広い「JALシルフラットNEO」を採用。 座ってみるとたかが5cm、されど5cmで、今回の世界一周弾丸取材で体験した多くのビジネスクラスシートと比べてもゆとりを感じた。 リクライニングは171°まで可能で、人間工学を取り入れゆっくり体を包むよう設計がされていて、実際に横になってみると機首を微妙に上げて飛行していることもあり、水平から約9°の絶妙な角度は寝心地が良くゆっくりと休める。 また、座席を倒した状態でゴロゴロできる余裕があり、ここでも横幅が5cm広くなった効果を実感。
JALシェルフラットNEOの詳細はコチラ
炊き立ての御飯とミシュラン2つ星の機内食
そして、機内での最大の楽しみ、夕食の時間がやってきた。 日本出発時のフライト(第3話の記事はコチラ)では和食の北海道御膳を頂いたので、今回は客室乗務員がお薦めしてくれた洋食の「コンテンポラリー・フレンチ」をチョイス。 ミシュラン2つ星レストラン「エディション・コウジ・シモムラ」の下村氏監修の料理で、お洒落に盛り付けられた前菜の後に、メインディッシュの牛ヒレ肉のステーキが出てきた。 絶妙な焼き加減で、機内で炊き立てのご飯に盛り付けて、和風ステーキ丼にアレンジして美味しく頂いた。 デリーでの滞在時間はわずか40時間と短かったが、緊張続きの弾丸取材日程の中で香辛料を使った「スパイス料理」が続いた後だけに、最新鋭機材の静かで快適な座席で口の中に20日振りに入れた「おいしいご飯」の食感と牛肉料理のハーモニーに思わず「上手い!」と声を出して感激した自分であった。

空の上で「ウォシュレット」、世界に誇る日本のトイレ
食事を楽しんだ後には、シートから立ち上がり、前の座席との間の広いスペースを利用して隣の人に気を遣うことなく通路に出てお手洗い(Lavatory)へ。 Lavatoryの空室のランプが点灯しているドアを開けてみると、なんとセンサーでトイレの蓋が自動的に開き、温水洗浄機能付き便座のウォシュレットのトイレが目の前に現れた。 しかも外が見える大きな窓までついている。
日本にいる時は当たり前に使っているが、海外に行くと、日本のトイレは世界一清潔で快適と身に染みて感じることが多い。 機内のトイレにまで日本式を導入して、日本の航空会社としてのこだわりを追求している点にさらに好感を持った。 特に、今回はお尻を水で濡らした左手で洗い自然乾燥させる、というインドのトイレ事情を知った直後だけに心の底からそう思った…(笑+溜息)

世界初の電子漫画サービス「SKY MANGA」
そして、密かに楽しみにしていた機内エンターテイメイントが、出版社とコラボレーションして機内で漫画が読める世界初の電子漫画サービス「SKY MANGA」だ。 30タイトル90冊の漫画がラインナップされていて、15.4インチの大型モニターをタッチパネルで簡単に読めるので、気が付けば3冊ほど読破していた。

その他、音質にこだわったノイズキャンセリングヘッドフォンを使い、臨場感あふれる映画に没頭したり、ビジネスクラス専用のバーカウンターで、好きな時にセルフサービスで気兼ねなく飲み物やおつまみを頂いたりと、日本人の嗜好を知り尽くした機内サービスを満喫した。 その後は、快適なシートを倒して3時間ほど目を閉じてしばし休む中、8時間20分の飛行時間もあっという間に過ぎていった…。

窓はボーイング767よりも1.3倍大きく、電子シェード(カーテン)で、ボタン1つで調光を変えることができた。 今回はフライトの前半が夜間飛行だったため、照明を落とされた機内から外を見ると、満月の月明かりも霞んでしまうくらいに無数の星が散りばめられた漆黒の闇がどこまでも広がっていた。
日本へ無事帰還、地球を駆け抜けた20日間の終幕
目が覚めて電子シェードを開けると、陸と空がつながって広がる未体験の景色に思わず言葉を失った。窓が縦に大きいB787ならではの絶景だ。 大きな窓から初秋の朝日が降り注ぐ中、キラキラと照り返す川や海岸の水面、薄っすらと紅葉が始まった山肌や、収穫を待つ黄土色の田畑、生徒たちの登校を待つ学校のグラウンドや勤務先に向かう車が連なる道路と、眼下の雲の間に広がっている風景は紛れもなく、日本の朝の風景だ。 九十九里のなだらかな海岸線から進入し、近づく地表と滑走路に写ったボーイング787の機影は主翼を美しい曲線状に撓らせながら、定刻通り朝7:30に成田空港に到着。 20日ぶりの日本へ無事帰還して、優雅なビジネスクラスで地球を駆け抜けた世界一周弾丸取材も、最新鋭機搭乗という頑張った自分へのささやかなご褒美で静かにフィナーレを迎えたのであった。

取材期間20日、搭乗フライト17区間、総飛行距離49,634マイル(約地球2周分!)と、まさに地球規模の弾丸世界一周取材を通じて、航空アライアンスにより現在販売されている世界一周航空券の中でワンワールド・エクスプローラー・世界一周運賃のビジネスクラスがいかに「最強」であるかを、私の「実体験」に加えて、可能な限り多くの実例を基にお伝えさせて頂いた。

マイル制限のない大陸制世界一周運賃のルールの理解だけでなく、そのメリットと上手な使い方、世界を代表するワンワールド アライアンス加盟航空会社の統一された素晴らしい連携とサービスの数々、出張や弾丸世界一周の合間でもホッと息が抜ける世界一周運賃を使った寄り道オプションの実例など、読者のみなさんの今後の海外出張、または世界旅行の参考に、少しでもなったならば嬉しい。

最後に世界一周運賃の最重要ポイントについては、「達人のポイント一覧逆引きに」にまとめてあるので、こちらもぜひ活用しながら世界一周運賃のルールと魅力について理解を深めて欲しい。

出発大陸内移動のルールを理解して、世界一周旅程の始まりとフィナーレを上手に計画しよう!(その2)
出発大陸のアジアで許されている区間数が4区間、24時間以上の滞在(途中降機)回数は2回までという制限ルールについては第12話「香港取材レポート」の達人のポイント内で解説した(第12話の達人のポイントはコチラ)が、ここでは実際にアジア内の移動ルールを有効活用したお薦めサンプルルートをいくつか紹介しよう。
世界一周の最初と最後に2分割して使うルート
(今回の弾丸取材ではこのパターンを採用)
最初のアジアで1回、後半のアジアで1回、合計2回の途中降機を前後半に分割して利用するプラン。 実際の取材日程では、前半のクアラルンプール、バンコクの2都市は24時間以内の乗り換えのみだったが、クアラルンプール~ロンドンにしてマレーシア航空のA380に乗るルートもお薦めだ。

最初に全てのアジア区間を使い切るルート
最初に4区間&2回の途中降機を使い、アジア周回してから他大陸に飛び、最後は大陸横断便で帰国するプラン。 注目のミャンマーとインドをルートに入れた新興国視察向けのビジネスマンにお薦めのルートだ。

日本帰国前までアジア区間を温存して使うルート
最初は日本から他大陸に直行便で飛び、後半に4フライト&2回の途中降機を使い、アジアを周回して帰国するプランだ。 世界一周の最後にアジアをたっぷり周回するため、インドやその隣国のバングラディッシュなど大きな経済発展の可能性を秘めた国々を訪問するルートも刺激があって面白い。